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講演するソフトバンクグループの孫正義会長兼社長=東京都港区、奈良部健撮影

 AI(人工知能)は恐ろしい武器になるのではなく、思いやりや慈しみを持ち人間を幸せにする――。ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は3日、取引先など法人向けの自社イベントに登場し、同社がいま事業として最も注力するAIについて持論を展開した。

 「1千万円を持っている。1億円にして返して」。孫氏はこの日朝、米オープンAIの対話型AI「ChatGPT(チャットGPT)」の最新モデル「o1(オーワン)」にこんな質問を投げかけたという。回答に75秒ほどかかり、「止まったか心配だったが、考えているプロセスが見えた」と語った。

 孫氏によると、AIの進化はすでに「考える」段階に入ったという。チャットGPTは事前学習による「知識」が基本で、「理解はしているものの、考えてはいなかった」。数学の難問やプログラミングで、すでに人間の能力を大きく超える性能を備えたとし、「速さではなく、深さを自慢するステージにきた」と話した。

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